プリフロップでコールした人が、フロップ以降で先にベットする。見た目は似ていても、前のラウンドで相手が何をしたかによって、ドンクベットとプローブベットを分けて考えられます。
最初に見るのは、自分の役の強さやベット額よりも、そこまでの履歴です。「誰が前に打ったか」「相手は前のラウンドをチェックで終えたか」を一行足すと、呼び名の違いが分かりやすくなります。
この記事では、ノーリミット・テキサスホールデムの1対1に限定します。プローブは、プリフロップの攻撃者がフロップをチェックバックした後の、ターンのベットを扱います。以下は行動を分類する架空教材で、推奨する頻度や額ではありません。
先打ちは 自分の順番で先にベットすること
先打ちは、このラウンドで先に行動する側が、自分の番に最初のベットをするという意味で使っています。相手の順番を飛ばしてチップを出すことではありません。
「前のラウンドでレイズした人から、次も先に動く」とは限らない点にも注意します。フロップ以降の行動順は席によって決まります。プリフロップで最後にレイズしたことが、次のラウンドで先に行動する権利を与えるわけではありません。
順番が曖昧なら、ポジションと行動順で確認しましょう。ここからは、後から動くBTNと、先に動くBBという2人に固定します。
同じ2人と同じボードで 3つの進行を比べる
6人卓で、BTNがプリフロップにレイズし、BBだけがコール。ほかの人はフォールドしているとします。BTNはボタン、BBはビッグブラインドの席です。最初から2人だけの卓ではなく、このハンドに2人が残った場面です。
フロップはT♠ 7♦ 3♣、ターンまで進む例では2♥が出るものとします。Tは10。両者には十分なチップがあり、オールインはありません。ブラインド額、アンティ、手数料による損益は計算せず、行動の順序だけを比べます。
この共通の出発点から、次の3つの別々の進行を考えます。
- 進行A:フロップでBBが最初にベットする
- 進行B:フロップはBBチェック、BTNチェック。ターンでBBがベットする
- 進行C:フロップでBBがチェックし、BTNがベットする
同じ一つのハンドでAからCへ続くわけではありません。同じボードでも、行動を変えた比較です。
進行A フロップのBBベットはドンク
プリフロップではBTNがレイズし、BBがコールしています。その次のフロップで、先に動くBBがチェックせずにベット。これが、この例のフロップのドンクベットです。
ドンクは、前のストリートでベットやレイズをした攻撃者に対して、次のストリートで先に行動する側から打つベットを指します。ストリートは、プリフロップ・フロップ・ターン・リバーの各段階です。
ここでの攻撃者は、単に気が強い人という意味ではありません。前の段階でベットやレイズをした役割を表します。リレイズが入ったなら、誰が最後にレイズしたかも確認します。
BBのベットを受けたBTNは、フォールド・コール・ルール上可能なレイズを選びます。BTNが前にレイズしたからといって、BBのベットを無視してチェックできるわけではありません。
進行B チェックバック後のBBベットはターンプローブ
進行Bでは、フロップで先にBBがチェックし、後から動くBTNもチェックします。このように、先のチェックを受けた後の位置の人がチェックしてそのラウンドを終えることを、チェックバックと呼びます。
フロップで両者のチェックが済んだので、ターン2♥へ進みます。そこで先に動くBBがベットする。この記事でいうターンのプローブベットです。
ポイントは、直前のフロップにBTNのベットがなかったことです。BTNはプリフロップのレイザーですが、フロップではCBをせずチェックバックしています。直前にベットを受けてコールした場面とは区別します。
プローブという名前を覚える前に、「フロップが双方チェックで終わった後の、BBのターンベット」と一文で説明してみましょう。その履歴を言えれば、必要な違いを捉えています。
進行C BTNが続けて打つ場合はCB
進行Cでは、BBがフロップでチェックし、プリフロップの最後のレイザーだったBTNがベットします。これは、基本の記事で扱ったフロップのCB、コンティニュエーションベットです。
AとCの違いは、誰がフロップ最初のベットをしたかです。Aは前にコールしたBB、Cは前にレイズしたBTN。Bではそもそもフロップにベットがありません。
3つの呼び名を、それぞれのカードの強さに結び付けて暗記する必要はありません。同じT♠7♦3♣でも、履歴が違えば分類が変わります。CBの狙い自体は「フロップでなぜベットする?」で復習できます。

ターンでBBが打っても 必ずプローブではない
もう一つ、進行Cから続く別の例を考えます。フロップでBBがチェック、BTNがベット、BBがコールした後、ターン2♥でBBが先にベットしたとします。
このベットは、ここでの分類ではターンのドンクです。直前のフロップで攻撃したのはBTNで、BBはそのベットをコールした側だからです。進行Bのようなフロップのチェックバックはありません。
比べると、どちらも「ターン2♥でBBがベットした」という最後の一行は同じです。しかし、一つ前が双方チェックか、BTNベットとBBコールかで、分類が変わります。
「コールした側がターンで先に打った」という短い記録だけでは、プリフロップのコールのことか、フロップのコールのことか分かりません。どのラウンドで何をしたかを省かずに残しましょう。
履歴が違うと 相手候補の見直し方も変わる
進行BのBTNはフロップでチェックバックした人です。進行Cから続く例のBTNは、フロップでベットした人です。同じプリフロップレイザーでも、途中で追加の情報が異なります。
ただし、チェックバックから「強い手札は全部ない」と断定はできません。強い手札でもチェックする場合があります。反対に、ベットしたから必ず強いということにもなりません。相手がその行動をどんな候補で選ぶかは、別に考えます。
履歴を分ける目的は、相手の手札を一つに当てることではありません。別の場面の解説を読んで、違う候補や前提をそのまま使ってしまうのを避けることです。
例えば「前のベットへコールして残った候補」を前提にしたターンの説明を、双方チェックで進んだ場面に移すと、絞り込みの根拠が違います。ボードだけで教材を選ばず、どんな行動を通ってそこへ来たかも確認します。
名前が分かっても 打つべきかはまだ別
ドンクと分類できたから間違い、プローブと呼べるからベットすべき、という結論にはなりません。名前は進行を説明するためのものです。相手の実力を見下す呼び名としても使いません。
行動を選ぶ段階では、自分の手札、双方の候補、新しい共通カード、人数、残りチップ、考えている額を確認します。チェックした場合との比較も必要です。
研究資料に特定ボードの頻度やサイズがあっても、席・スタック・候補・選べる額などの設定が違えば、同じ答えになるとは限りません。本記事の3進行は分類の練習で、どの経路を何%選ぶべきかは示していません。
振り返りは 前と今を2行でつなぐ
記録は「BBが先に打った」だけで終えず、一つ前のラウンドからつなぎます。
- 前:BTNレイズにBBコール。フロップはBBチェック、BTNチェック
- 今:ターン2♥でBBが最初にベット。チェックバック後のターンプローブに当たる
打つべきだったかを質問したい場合は、さらに自分の手札、ベット額、ポット、残りチップを添えます。分類だけなら足りる情報と、戦略まで検討するための情報は違います。
理解できたか 3問チェック
- BTNがプリフロップでレイズ、BBがコール。そのフロップでBBが最初にベット。この記事では何と呼ぶ?
- 同じ2人がフロップで順にチェックし、ターンでBBがベット。この記事では何と呼ぶ?
- フロップでBBチェック、BTNベット、BBコール。ターンでBBがベットした場合も、問2と同じプローブ?
答えと理由
- フロップのドンクです。前の攻撃者BTNに対し、先に動くBBが次のラウンドで打っています。
- ターンのプローブです。プリフロップの攻撃者BTNが、フロップをチェックバックした後です。
- ここではターンのドンクです。直前のフロップではBTNがベットしており、双方チェックの進行ではありません。
今日の小さな練習
同じ2人の「前の行動」と「今の行動」を書き、フロップの先打ち、チェックバック後のターンベット、CBを一つずつ分類してみましょう。
チェックしてから同じラウンドでレイズする流れは「チェックレイズとは?」、新しいカードで判断を更新する話は「ターンの考え方」へ。資料を使う復習はプレー前後に行い、実際の進行は会場の採用ルールに従ってください。
参考にした一次情報
- GTO Wizard「Is Donk Betting for Donkeys?」
- GTO Wizard「The Turn Probe Bet」
- PokerStars「How to Play Texas Hold’em」
内容確認日:2026年10月6日(日本時間)。用語・論点は上記の一次資料を参照し、記録例・カード例・数値モデル・確認問題は本記事用に作成しました。GTO Wizardの研究は設定した条件に基づくもので、全場面の最適解を保証するものではありません。海外サービスの登録や利用を案内するものではありません。

