複数人が違う額でオールインしたら、チップを同じ高さの層に分け、それぞれを誰が争えるかを確認します。いちばん強い手札の人が、置かれたチップを全部もらうとは限りません。
この記事は、ノーリミット・テキサスホールデムの配分練習です。例はすべて架空で、アンティ・手数料・別の追加拠出はなし。金額ではなくチップ単位です。最小レイズや、短いオールインで行動が再開する条件は扱いません。
分けたい3つ
- メインポット: 少ない額でオールインした人も争える部分
- サイドポット: その人の上限を超えて、ほかの人が出した分で争う部分
- 返却: 誰にもコールされていない単独の超過分。争うポットに含めない
最初に「このハンドで出した合計」をそろえる
目の前に今並べたチップだけを見ると、前の段階やブラインドで出した分を落とすことがあります。この教材では、各人がハンド開始から出した合計で整理します。ただし、まだ誰にも対応されていない超過分は、返却前の数字として分けます。
フォールドした人が出した分も消えません。一方、その人はポットを獲得する権利を失っています。「誰がいくら出したか」と「誰が勝てるか」は別の情報です。
ここでの単純な層分けは、アンティなしの例です。BBAなどのアンティ、手数料や特殊な追加分がある場面へ、数字だけを置き換えて自己判断で配らないでください。
3人の例|メイン・サイド・返却を分ける
Aは合計200でオールイン、Bは合計600でオールイン。Cは合計1,000を出した状態から、未コール分を返す直前とします。ほかに出した人はおらず、全員の判断が終わった後の配分だけを考えます。
- 200までの層: A・B・Cが各200。200×3=メイン600。A・B・Cが争える
- 200を超えて600までの層: B・Cが各400。400×2=サイド800。争えるのはB・C
- 600を超えるCだけの分: 1,000−600=400をCへ返却。これはポットではない

返却前に出された合計は200+600+1,000=1,800。配分先も600+800+400=1,800です。返却後、勝敗を争うポットの合計は1,400になります。
例えばAが最も強く、BがCより強ければ、Aはメイン600、Bはサイド800を獲得します。Cは両方で負けても、未コールの400は戻ります。返却は、Cが勝って獲得したチップではありません。
Aの手札が最強でも、サイド800は取れない
Aがそのハンドで出せたのは200までなので、B・Cがさらに出したサイド部分を争う権利はありません。メインとは別に、サイドはBとCだけの手札で比べます。
同じ共通カードを使っていても、ポットごとに比べる人が違うため、勝者も違うことがあります。Poker TDAの公式ルールも、各サイドポットを別々に配分するとしています。
フォールドした4人目の400は、どこへ入る?
次は別の練習例です。先ほどと同じA200・B600・C1,000に加えて、Dが合計400を出した後にフォールドしているとします。Cの返却前までに置かれた合計は2,200です。
- メイン: A・B・C・Dの各200で、200×4=800。争えるのはA・B・C。Dは除く
- サイド: Bの追加400+Cの追加400+Dの残り200=1,000。争えるのはB・Cだけ
- Cへの返却: 1,000−600=400
800+1,000+400=2,200で、返却前の合計と一致します。Dの400は計算に残しつつ、どちらのポットの勝者候補にもDを入れません。
細かく層に分けるなら、200〜400の層と400〜600の層に分かれます。ただし両方とも勝つ権利があるのはB・Cなので、この例では合わせて1つのサイド1,000として扱えます。
さらに応用|サイドポットが2つできる場合
今度はフォールドした人なしの、別の4人例です。返却前の合計をA200、B600、C1,000、D1,400とします。A・B・Cはそれぞれその額でオールインです。
- メイン:200×4=800。A・B・C・Dが争う
- 第1サイド:(600−200)×3=1,200。B・C・Dが争う
- 第2サイド:(1,000−600)×2=800。C・Dが争う
- 返却:Dだけの1,400−1,000=400
合計は800+1,200+800+400=3,200。各ポットで対象者を減らしながら、別々に勝者を決めます。最初は3人の例を確実に説明できれば十分で、4人の例は後から試して構いません。
引き分けも、ポットごとに分ける
A200・B600・C1,000の最初の3人例へ戻ります。今度は、AとBの最良の5枚が同じ強さで、Cより強いとします。
- メイン600は、AとBで300ずつに分ける
- サイド800はBとCだけで比べるため、Bが800を獲得する
- Cの未コール400は、勝敗と無関係に返却する
受け取る合計はA300、B1,100、C400です。メインが引き分けでも、サイドまで全員で分けるわけではありません。端数が出る場合は会場の最小チップと端数配分のルールに従い、勝手に分割しないでください。
実際の卓では、自分でポットを配らない
計算が違うと思ったら、チップやカードを勝手に動かす前にディーラーへ確認します。「メインを争えるのは誰ですか」「この分はサイドですか、返却ですか」と、分からない部分を伝えましょう。必要ならフロアへ確認してもらいます。
ポットの配分が終わるまで手札を保護し、ショーダウンは会場のルールとスタッフの指示に従います。オールインだからといって、確認が終わる前に自分のカードやチップを片付けないようにします。
理解できたか、3問チェック
- A200・B600・C1,000の3人例。メイン、サイド、Cへの返却はそれぞれいくら?
- Dが400を出してフォールドした例で、Dはサイドの勝者になれる? 出した400は消える?
- 最初の3人例でAとBが同じ最強の手、Cはそれより弱い。サイド800もAとBで分ける?
答えと理由
- メイン600、サイド800、返却400。 同じ額を出した層と、Cだけの未コール分を分けます。
- Dは勝者になれず、400は消えません。 メインへ200、サイドへ200が加わります。
- 分けません。 Aにサイドの権利はなく、BとCの比較でBが800を獲得します。
今日の練習は、3人例を「出した合計→層→争える人→返却」の順に紙へ書き、最後の合計を合わせること。アクションの基本はベットとレイズ、全体の流れはホールデムのルールで復習できます。
参考にした一次情報
- PokerStars「Poker Rules」:オールインで争える範囲と、複数のサイドポット
- PokerStars「Poker terms and rules explained」:サイドポットの参加資格と引き分けの基本
- Poker TDA「2026 Rules, Version 1.0」:各サイドポットの個別判定、未コール分、端数、ショーダウン
内容確認日:2026年10月6日。配分例はアンティ・手数料なしの架空教材です。実際の額、参加資格、端数、ショーダウンは主催者のルールと裁定を確認してください。

