「どこで迷ったかは覚えているけれど、チップの額が思い出せない」。プレーの後にそんな場面があったら、1ハンドだけ、条件・行動・疑問を分けて残すところから始めてみましょう。
この記事は、ノーリミット・テキサスホールデムの振り返りメモを作る入門です。以下の対戦例はすべて架空の教材です。実在のプレイヤーの手札や、本人の実戦経験として書いたものではありません。記録と分析はプレー後に行い、進行中の判断の助けには使いません。
最初のメモに必要な3つ
- 条件: 人数、席、ブラインド、残りチップ
- 行動: どのカードが出て、誰がいくら出したか
- 疑問: 自分がどこで何に迷ったかを1つ
まず残したい項目は、この順番
- 形式と人数: リングか大会か、何人卓だったか
- チップの条件: SB・BB・アンティ、ハンド開始時の自分と主な相手のスタック
- 席と手札: 自分と相手のポジション、自分の2枚の数字とマーク
- プリフロップ: 誰が先に参加し、どこまで額を上げたか
- フロップ・ターン・リバー: 共通カードと、その段階の行動・額
- 結果: 見えた手札、勝敗。見ていない手札は「不明」
- 振り返りたい点: 事実とは別に、そのとき考えたことと疑問
スタックは手元のチップ量、ポジションは席と行動順の関係です。分かる項目から埋め、曖昧なところを数字で作り直さないことが大切です。
公式のハンド履歴の解説でも、席・スタック・カード・アクション・結果が記録の要素として示されています。ここでは専用ソフトの操作ではなく、自分で振り返れるメモの形にします。
架空の1ハンドを、最後まで記録してみる
条件と手札
- 形式:練習用のリング、6人卓
- SB50/BB100、アンティなし、手数料なし
- 全員がハンド開始時に10,000。自分役Aと相手Bは、ともに100BB
- 自分役AはBTN(ボタン)、手札はA♥ J♥
- 主な相手BはBB。手札は、最後に公開されるまで不明
プリフロップ: BTNのAまで全員フォールド。Aが合計300へレイズし、SBはフォールド。BBのBが追加200でコール。ポットは300+300+50=650。

BBはすでに100を出しているため、追加は200。ポットにはフォールドしたSBの50も残ります。手数料なしの架空教材です。
BBはすでに100を出しているため、300に合わせる追加額は200です。フォールドしたSBの50もポットに残ります。「BBが300コール」とだけ書くより、合計300/追加200と分けると、後から読み返しやすくなります。
フロップ:J♣ 7♦ 2♠
Bがチェック。Aが300をベットし、Bが300でコール。ポットは650+300+300=1,250。
ターン:9♣
B、Aの順にチェック。ポットは1,250のまま。
リバー:4♦
B、Aの順にチェック。ポットは1,250のまま。
結果: ショーダウンでBがJ♦ T♣を公開。AはA♥ J♥を公開。両者ともJのワンペアですが、最良の5枚はAがJ・J・A・9・7、BがJ・J・T・9・7。Aのキッカーが上なので、Aがポットを獲得します。Tは10です。
この例なら、カードと額をたどってハンドを再現できます。ただし、Aが勝ったという結果だけでは、各段階の判断が最適だったとは言えません。 300は記録の練習用の額で、推奨ベットサイズではありません。
「合計」「追加」「ポット」を分けて書く
- 合計: そのベッティングラウンドで、その人が合わせる額。例はプリフロップの合計300
- 追加: 同じラウンドですでに出した分に、今回足す額。BBの例は200
- ポット: その時点までに、各プレイヤーから出されたチップのまとまり。例はプリフロップ終了時の650
前の段階で出したチップを、次の段階のコール額から引かないようにします。フロップでBが300にコールするときは、プリフロップの拠出とは別に300必要です。計算の前提はベットとレイズの基本で復習できます。
実際の記録でポットを正確に覚えていなければ、「約○○」「未確認」と分けて残します。サイドポットや手数料がある場合も、この単純な足し算へ無理に当てはめないようにします。
事実・考え・次の確認を分ける
同じ例の振り返りメモ
- 事実: フロップでAが300をベットし、Bがコールした
- そのときの考え(架空例): Jの弱いペアにコールしてもらいたかった
- 次の確認: ベット前に、相手のどんな手札を候補にしていたかを書き出す
あとからBのJTを見たからといって、「最初から相手はJTだと分かっていた」と書き換えないことが大切です。その時点で見えていた情報と、後で分かった結果を分けます。
「負けたから全部失敗」「勝ったから問題なし」とまとめず、1つの判断に戻って理由を考えます。結論が出なくても、何が分からないのかを具体的に書ければ、次に学ぶ内容を選びやすくなります。
思い出せないところは、「不明」で残す
- マークを忘れた:数字だけ記録し、マークは不明と書く
- 正確な額を忘れた:概算と分かる書き方にする。正確な数値のように埋めない
- 相手が手札を見せなかった:推測を確定情報として書かない
- 行動の順が曖昧:分かるところまで記録し、判断の結論を急がない
不足があるメモでも、覚えている事実と不足箇所を分ければ、復習に使えます。例えばマークが不明なら、フラッシュの可能性に関する細かな判断は保留にします。
繰り返し使える、短い記録用の型
コピーして埋める項目
- 形式/人数:
- SB・BB・アンティ:
- 開始時スタック:自分 /相手
- 席と自分の手札:
- プリフロップ:
- フロップ:カード /行動・額
- ターン:カード /行動・額
- リバー:カード /行動・額
- 結果:公開された手札と勝敗 /不明な点
- そのときの考え:
- 次に確かめたいこと:
最初は1日のすべてを残そうとせず、迷った1ハンドだけで構いません。席の略称があいまいならポジションと行動順へ戻り、後から読んでも分かる名前に直します。
プレー後に記録し、共有するときは匿名にする
メモ作成や資料を使う復習は、休憩・退店後など、プレーを妨げない場所とタイミングで行います。進行中のハンドの判断を、AI・表・他の人に求めないでください。Poker TDAの公式ルールにも、電子機器や外部の戦略情報について制限があります。会場の採用ルールを確認します。
自分用のメモを公開したり、誰かに見てもらったりする前には、相手の実名・アカウント名・顔・正確な来店日時などを外します。写真や音声を勝手に記録せず、第三者のログや非公開の記録も無断で転載しないようにします。匿名にしても人物が分かる場合や、許可が必要な情報が残る場合は、共有前に本人や会場へ確認してください。
本文のA・Bは架空の記号です。実際の相手を評価する言葉より、「その場面で何が起きたか」を残すと、記録を読み返しやすくなります。
理解できたか、3問チェック
- BB100をすでに出し、合計300に合わせる。同じプリフロップで追加する額は?
- プリフロップ終了時650。フロップで300ベット、300コールした後のポットは?
- 相手の手札を見ていないが、JTだと思った。結果欄に「相手JT」とだけ書いてよい?
答えと理由
- 200。 合計300から、このラウンドですでに出した100を引きます。
- 1,250。 650+300+300。アンティや手数料などを含まない、この教材の条件での値です。
- そのようには書きません。 手札は不明とし、JTという推測は考えの欄へ分けます。
今日の目標は、1ハンドを最後まできれいに書くことより、次に確かめたい点を1つ残すこと。サイト内の関連する入口として、ポーカーレビューも確認できます。利用できる機能はリンク先の案内を確認してください。全体の順番は学習ロードマップへ。
参考にした一次情報
- PokerStars Learn「Hand histories: Where to find them and what to do with them」:席・スタック・カード・行動・結果を残す記録の要素
- PokerStars Learn「Reviewing Your Poker Hands」:プレー後に理由を振り返り、結果だけで判断しない考え方
- PokerStars「Texas Hold’em」:手札・共通カードから最良の5枚を選ぶことと、基本の行動順
- PokerStars「Poker Hand Rankings」:役の順位、同じ役の比較、引き分け
- Poker TDA「2026 Rules, Version 1.0」:行動順・明確な発声、電子機器と戦略ツールの制限
内容確認日:2026年10月6日。手順と例題は本記事用に作成した架空の教材です。実際の進行は会場・主催者の採用ルールに従ってください。海外サービスへの登録や利用を案内するものではありません。

