マーケティング

「マーケティング」とは?関連用語とともに簡単解説

マーケティングとは

マーケティングという言葉はよく聞きますが、どういう意味でしょうか?

連想される言葉として「市場調査」「企画戦略」「販売促進」などが挙げられます。この中で「マーケティングとは何?」という問いに対する答えは「全部」です。

そして、その複数の意味を指すことが余計「マーケティング」というものを難しく思えてしまう原因になっていると思われます。ですが中を見てみれば実はシンプルなもの。どういうことか、これから詳しく見ていきましょう。

マーケティングの定義

マーケティングとは、特定の誰かが定めて世界共通で使われる言葉ではなく、個人単位や企業によって異なります。ですが、根本は専門家や専門機関の定義がベースになっていることがほとんどです。ではまず、世界でもよく聞かれる定義を3つ見てみましょう。

専門家による定義

近代マーケティングの父、コトラーはマーケティングを「本物の顧客価値を生み出すための活動で、顧客の生活向上を支援する概念」と定義しています。

また、現代経営学の発明者ドラッカーは「Selling(=売り込み)を不要にすること」としています。

専門機関による定義

アメリカマーケティング協会は、「顧客、依頼人、パートナー、そして社会全体にとって価値のある提供物を、創造・伝達・提供・交換するための活動であり、機関であり、プロセスである」としています。

1960年に同協会が定義したマーケティングとは「生産者から消費者もしくは利用者への、剤の流れを方向づける企業活動の遂行」でした。その後も何度か定義を時代によって「何のためか」が変わっています。最初は消費者や利用者のための、つまり「(個)人のための」マーケティングでしたが、コンテンツが多様化したことにより非営利組織も含めた「個人や組織の」ためのマーケティング、そして先ほどの「社会全体」のためのマーケティングとなっています。

昔は個人や企業のためでしたが、それは非営利組織においても言えることであり、近年では社会全体からも望ましい反応を求められる活動とされています。

マーケティング定義のまとめ

これらを統合すると「顧客本来のニーズを理解し、価値のあるものを提供し、売り込まずとも自然と売れる仕組みを作り、顧客や社会全体の生活向上を目指す」と考えられます。大事なのは「正しいニーズを理解すること」「価値のあるものを提供すること」「顧客や社会全体のためになること」です。

マーケティングを学ぶうえ知るべき言葉5選

冒頭にもある通り、マーケティングときいて連想される言葉は「市場調査」「企画戦略」「販売促進」など、他にも多くあります。そしてこれらはすべて「マーケティング」の一要素です。つまり、マーケティングについて知るうえで市場調査のことも知り、企画戦略のことも知り、販売促進についても知る必要があります。つまり、マーケティングを知るためには知っておきたいことがたくさんあるということ。ここでは、知っておくべき言葉と簡単な説明をご紹介します。

セグメンテーション

マーケティングにおいて日本語訳すると「市場の細分化」となります。顧客を、住んでいる地域や年齢など様々な軸で顧客をタイプ分けし、より具体的なニーズを探りだします。

ターゲッティング

セグメンテーションしたうち、どの人を顧客の対象とするかを定めます。具体的に分類すればするほど、よりターゲットははっきりし、ターゲットのニーズが掴みやすくなります。

4P/4C

マーケティングにおいて大事な4つの観点をまとめて4Pや4Cと呼びます。

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(販売促進)

4Pは企業視点だったため、これを顧客視点で考えたのが以下の4Cです。

  • Customer value & solution(顧客にとっての課題解決方法と価値)
  • Cost to the customer(コスト)
  • Convenience(利便性)
  • Communication(店員・企業とのやりとり)

昨今では「顧客視点」を大事にする傾向にあるので、4Pより4Cのほうがよく使われているかもしれません。

ブランディング

市場や顧客に、一定の認知や存在感を持たせるための活動のことです。初めて聞いた企業の製品より、テレビCMなどでよく見かける企業の製品のほうが不思議と安心感を覚えるのは、ブランディングによるものです。ブランディングすることで、他の企業と差別化を図ることができます。

価値

マーケティングでの「価値」とは、ただ顧客が商品を買ったりサービスを利用したりして得られるものだけでなく、それらを得るために費やしたコストと実際に得られたベネフィットの差です。もちろん得られるもののほうが小さければ、購入にはつながりません。以下にベネフィットを大きく、コストを小さくするかが課題となります。

マーケティングとは

さて、ここまでマーケティングの定義や押さえておくべき言葉をお伝えしてきました。では改めて、マーケティングとは何でしょうか?

マーケティングにおいて大事なことは「正しいニーズを理解すること」「価値のあるものを提供すること」「顧客や社会全体のためになること」の3つでした。

これらをまとめて、ここでは「マーケティングとは顧客や社会のニーズをしっかりと理解したうえで価値のあるものを提供し、自然と求められ、顧客や社会の向上を目指すこと及びそのための活動」とします。

また、マーケティングと聞くとつい「企業が行う活動」「企業が商品をつくるために考えること」などと、企業を思い浮かべがちですが、それは間違いです。アメリカマーケティング協会が定義しているようにそれは非営利団体でも考えなければいけないことですし、個人のでも通用する話です。

人から嫌われそうな言動を意識的にしている人はそう多くないはずです。それは「人から嫌われる言動というニーズ」が無いとわかっていて、そこに向上的な要因がないことを知っているからと言えるでしょう。

そんな誰からも求められていない、自分にとってもいいことないことをするより、笑顔で話すとか相手の目を見るとか、対人でなくてもごみのポイ捨てをしないとか、「いい人に見える」行動をしている方が、周りからみても「価値」を感じられる行動ですし、自身もそこにデメリットを感じないはずです。

そんなこと、と思うかもしれませんが、マーケティングとは難しいことを言っているようで実は簡単で小さなことなんです。

これらを踏まえ、是非一度「マーケティングとは」を自分の言葉で考えてみてください。冒頭にお伝えした通り、ベースはどれも同じですが、答えは個人や企業によって異なります。あなたが見つけた答えもまた「マーケティング」です。