動物には発情期があります。
サルや人間は常々発情しているかもしれませんが、年齢や季節によって発情期を迎える動物が多く、小型の鳥さんであれば、1歳を迎える前から、大型の鳥さんで2~3歳辺りから発情が始まります。
野生下では、日照時間や気温、餌の豊富さなどが影響しますが、飼育下では、太陽光の他に明かりがあったり、エアコンがきいている部屋だったり、餌は毎日豊富にもらえるとなると、いつ発情してもおかしくありません。
では、どのようにコントロールできるのか?
発情の兆候がある場合にどう抑制できるか、管理できるかについてまとめてみました。
発情のコントロール方法
発情のコントロール方法として、下記の4点があげられます。
- 日照時間のコントロール
- 温度管理のコントロール
- 餌量のコントロール
- スキンシップのコントロール
動物たちは、太陽が出ている時間から季節や、気候を判断し、繁殖するタイミングかどうかを見極めます。
発情の元になっている部分を一つずつ掘り下げて説明します。
日照時間のコントロール
野生下では、最初に説明した通り、日照時間から季節などを判断するため、室内では陽が落ちた後に電気をつける場合、鳥さんをケージにしまって、カーテンやケージカバーをすると良いでしょう。
さすがに会社員の皆さんは陽が出ているうちが仕事の場合が多いと思うので、放鳥後やお世話を終えたあとはケージカバーをし、朝早くから相手してあげることが望ましいでしょう。
温度管理のコントロール
鳥さんたちとの生活環境は、昼夜の気温差も影響があります。
一定温度で保つのも管理的には楽なのですが、野生下では、夏は暑く、冬は寒いのが当たり前です。
一日の中でも気温差があるのが当たり前なため、飼育する鳥さんの生息地を調べ、ある程度の温度差をつけるのも一つの手です。
実際は、人が外出中にエアコンを切っていたり、寝る前は切っているように、うまく温度差は出ていると思いますが、エアコンをつけっぱなしの家庭では、見直してみましょう。
餌量のコントロール
意外に大事なのが体重管理。
温度が低くなると、脂肪を蓄えようとする体質があります。
ただ、体温を保つためにエネルギーを使用するので、夏場より冬場の方が餌は食べますが、体重は増えないということが多々あります。
雛から成鳥になる際も、成長期を超えると一度餌量は落ちますが、冬に向けて再度増える形になります。
そのため、体重管理はどの動物も、管理する上では重要な指標になります。
夏と冬で同じ餌量だと、体重減少により、落鳥する可能性がありますので要注意。
発情に関しては、ケージという安心した環境で、餌量が豊富な環境だと発情しやすくなります。
適度なストレスは、発情を抑制する作用もありますので、ケージ内のレイアウトを変えたりするのも効果的です。
スキンシップによるコントロール
スキンシップを行うことにより発情することもあり、野生下では基本的に相手が必要になります。
オスの場合
オスの場合、止まり木やおもちゃ、鏡に映った自分の姿などを見て発情します。
発情の際は、精巣が膨らみ、熱を帯びますが、野生下では空を飛んでいる間に冷やされたりするため問題はあまりないのですが、室内飼育だとそこまでの冷却効果がなく、精巣腫瘍の原因になります。
そして、求愛行動の一つに吐き戻しがあります。
発情の傾向としては普通の出来事ですが、吐き戻した餌に関して、腐敗もしますし、衛生上よくないため、見つけ次第清掃してあげましょう。
お尻の擦り付け動作。これも通常の発情行為ですが、発情するものがあるのであれば、撤去することにより発情を抑えられる可能性があります。
擦りすぎると肛門辺りに擦り傷ができることも。
感染症対策としても、過剰な発情であれば物を撤去したりして対応をしましょう。
メスの場合
飼い主が撫ですぎると発情する場合があります。
お尻をあげるようになったら、スキンシップを控えるようにしてください。
性行為がなくても、発情をすると卵を産む場合があります。
通常の産卵であればいいのですが、産卵頻度が高かったりすると、カルシウム不足から卵詰まりになる場合があります。
産卵自体体力を使うことなので、極力無駄な産卵は控えたいところです。
オスもメスも共通している部分ですが、ペアが出来たり、巣を連想させるものがあったりする場合、そこに近づくものに攻撃的になる場合があります。
急に攻撃的になった際には、ケージ内の巣になるものは一度撤去し、発情をコントロールしましょう。
巣があったり、テントがあったりすると、そこで発情行為があったり、吐き戻しが溜まっていたり、産卵していたりと、発情に気づかない場合もあると思いますが、前兆に気づいた際に対処するといいでしょう。
もし発情してしまったら
上記で伝えた内容でも発情が止まらなかったら。
メスの場合、産卵しているのであれば、カルシウムを多めに与えてください。
卵詰まりは鳥さんの命に関わる問題なので、まずは鳥さんの安全を確保してあげましょう。
だいたい1回の産卵で3~6個ほどの卵を産みます。
野生下では、発情(求愛)→性行(交尾)→抱卵、産卵(巣作り)→育児→通常(巣立ち)
となります。
オスの場合は、発情の段階を抑える必要があるため、吐き戻しや求愛行動があった場合に、日照コントロールや、温度管理、餌の脂質管理を行うことにより抑えることができます。
メスの場合は、お尻をあげる行為が出たら要注意。
巣作りをさせないこと、産卵させないよう、オスと同じようにコントロールしていきましょう。
まとめ
発情のコントロールはできますが、絶対ということはありません。
発情自体が悪いことではないため、季節的な部分はうまく管理してみましょう。
仮に発情し、卵を産んでしまっても、カルシウムを与えたりして、しっかり卵を産めるようにしましょう。
そして継続的に産卵させないようコントロールが出来れば問題ありません。
それでも抑えられない場合は、病院でホルモン剤でコントロールすることもあります。
心配であれば病院へ連れて行くことも手段の一つだと思ってください。
繁殖を考えている方も、発情過多は鳥さんの寿命を縮めてしまいますので、むやみやたらに繁殖し、飼育しきれないといったことがないよう、しっかり管理を行ってください。